ほうかごのロケッティア

 一言でいえば女の子のためにロケットを作って飛ばす物語。ただ、何か損してる。後半はかなり良い感じですけど中盤は読むの止めようかと思いました。正直主人公のキャラクターがブレまくってるのが問題です。周辺の脇役が非常に良く描けているのが救い。
 構成と校正がライトというよりかなりラフです。ざっと一読しただけで以下の粗が。この手のライトノベルにしてはまだ校正抜けは少ないようですがそれでも目立つミスが2ヵ所。特に2番目は酷い。
167ページ:稼働部位を作る→可動部位を作る (全てが完全に稼働しなければ飛びません)
223ページ:二週間の退学→二週間の停学 (誰が読んでも分かる誤植)
以下2つ追加)もう少しあるかと思っていたら案の定。
260ページ:メモリはRAMだし→メモリは不揮発RAMだし(SRAM/DRAMオンリーの一発勝負設定もアリ?)
302ページ:危険物取扱法及び違反火薬類取扱法違反→消防法及び火薬類取締法違反? (わざと実在しない法律?)
 あと、比推力の説明は蛇足。ハイブリッドにもっていく前置きかと思いますけど、先へと続く鍵は燃焼剤であり方式の選択云々はあまり関係ない。方式を変更するに至る理由は安全性の向上のハズ。私には元ネタがさっぱり分からない記述は多々ある(当然読み飛ばす)のに比推力にページをさく理由が不明です。図解も何も無いしそもそもロケットの説明書では無いはずなのに説明と進行のメリハリがいまひとつ。メカ中心で行くなら島の地図などでは無く1号からのイラストと諸元一覧が付いてしかるべき。折り込みの18号イラストが3段+フェアリングとなっているのがこだわりか。FMEAまで付けろとは言いません。ライトですから。
 最大の突っ込みどころとしてはタイトル。ちっとも放課後で済んでおらず24時間戦えますか状態です、いろいろと。副題のSchool escape velocityの方がまだマシ。私が付けるなら『ばくれロケッティア』。勢いだけはロケットかな。

小説

Posted by tnakada