来年版のダイアリーが届きました。2008年版から数えて4冊目です。2010/11/8からスタートするのでボチボチ移行します。名入れ部分がDSC-TX5の影になってます。
日経ビジネス2010.10.4
ひさしぶりのヒット特集。『衰退に抗う浮沈企業』という題です。過去に大きな成功を収めているソニーとアップルの対比記事ですがまとめ方が秀逸で現状の分析と対策への指針という構成が上手いと思います。
内容(ソニー衰退の原因)自体はあちこちで言われていることですが規律なき拡大路線や一発逆転策の追求はいいキーワードだと思う。元ネタはジェームズ・C・コリンズ氏の著書から来ていて上手いことまとめたものです。コリンズ氏本人へのインタビューもちゃんと付いてます。
この雑誌、ヒット率はかなり低く、正直なところ更新時に切ろうかと思ったことが何度もあります。しかし、年に何度かはクリーンヒットが出るので侮れません。前回はこのブログには載せていませんが『日経ビジネス2010.4.5 相続が7万社を潰す』で半年ぶり。
日経ビジネス2009.11.30
時事深層というコーナーのソニー「自動車電池参入」の謎という記事が一番印象に残りました。正確には再参入になるそうなのですけど果たして?記事冒頭の記者の質問ではないですけど「マジで?」と聞きたくなる項目です。ハードとソフトの融合戦略とリチウムイオン二次電池というパーツの整合性については記事中で謎として挙げていますけどかなり怪しいです。バッテリのソフトの提案があるのでしょうか。
単にPCや携帯は伸び悩みそうだし自動車が儲かりそうになったから…で無いことを祈ります。というか、自動車向けというのに信頼性や品質保証面に対する見解が無い。業界標準を握るというアナリストの見解はリチウムイオン二次電池パックがセット毎にバラバラで共通化/標準化にはほど遠い現状と合っていないと思います。
バッテリに対する懸念が噴出したNHW10から改良を繰り返し、最新型のZVW30まで12年で100万台以上の実績を持つパナソニックEVエナジー製NiMHバッテリに対抗できるのでしょうか。
ところで、ホンダのプレスリリース株式会社ブルーエナジー 工場の建設を開始からホンダにバッテリを供給する株式会社ブルーエナジーは本社が吉祥院西ノ庄って思いっきり京都、工場も福知山。出資比率を見ても主導権がGSユアサにあるらしい。
日経ビジネス2009.10.12
じっくり読む暇も無くパラパラッと見ていて目にとまった記事が現場力というコーナーの企業紹介でピーエーワークス(リンク先Wikipedia、以下PAW)。生活向上で人を集められるというのはどれだけ業界が疲弊しているか表しているはずです。しれっと書かれている記事では今ひとつ危機感が伝わってきません。最後の2008年9月期、2億8700万円の売り上げで800万円の利益ってどれだけ利益率が低いのかはっきり表していると思うのですが。
地方での人材確保が難しいというのは環境よりなにより人材を確保できる人材(PAWでは社長夫人)がいるかどうかです。環境だけ無理矢理整えようとした「工業団地」とか「リサーチパーク」とかあちこちにあると思います。
夢を描く、夢を実現するというのは福利厚生で実現というありきたりの解説ではなく西東京、宇治(こちらも夫人の転勤先だったような)そして城端という地縁や特殊環境が大きいと思うのですけどその辺は経済とは縁が薄いのかな。工業製品化しているとはいってもアートはアートではないのでしょうか。
記者さんの考察が全然足りません。同じノリで富山港の漁師を取材したらどんな記事になるやら。
日経ビジネス・ダイアリー2010年版
日経ビジネス・ダイアリー2010年版のポケット版のみを注文しました。これで3冊目です。カバーは会社の支給品でJR等のチケットや領収書を入れられる手帳よりも一回り大きなサイズにしています。
使い勝手はいいのですけどメモのページ数が少なく、年末になってくると紙を上から貼り付けて補強する必要があります。複数のサイズのポストイットも常時貼ってありポストイットの台紙にも使っています。
日経ビジネス2009.7.13
技術フロンティアというコーナーでブリヂストンのランフラットタイヤが紹介されていました。パンクしても80km/h以下で80km走行できる性能を持つランフラットタイヤの耐久性向上のカギが熱対策で材料から形状まで新技術が投入されています。中でもサイドに突起をつけただけというクーリングフィンは見た目はデザインの一部かと思いますが効果的なようです。
パンク時にもある程度走れるため空気圧監視装置(TPMS)が必要になる代わりにスペアタイヤとジャッキなどの工具類が不要になり、合計でノーマルタイヤと比べて2割ぐらい軽量化できるらしい。あと、未使用スペアタイヤの廃棄も必要なくなるので環境対策にもなる。今後はランフラットタイヤの採用が増えそうです。
私はまだまだNHW20を乗り続けるつもりですが次の車で欲しい機能に「インテリジェントAFS」に加えて「ランフラットタイヤ」も追加。今度、営業さんに会ったら話を振ってみます。LEXUSなら…といわれそうですけど。
日経ビジネス2009.6.29
なんだかんだであっという間に6月も終わり。ざっと読んだだけでレビューを書く暇もなく積み上がった古雑誌を直近2誌と特に読み直したいものだけ残して全て処分しました。たまに封も切らずに溜めている人を見かけますけど雑誌類は発売日直近で読まないと意味がない記事が多いので私は少なくとも開封してパラパラと見るようにはしています。学生の頃は図書館が購読していたので届く日を狙って行っていた記憶があります。特にNEで最初の開発ストーリーが連載されていた頃。
今週号は表紙に「中国市場 勝ち組2割」とあるのでどんな企業が2割に入るのかが気になったのですけど2割の数字が出てくるのがコンサルティング会社の方の利益を出せる日本企業は10社中2社程度という推測のコメントだけのようです。この数字の根拠が知りたいんですけど見あたらない。もう少しタイトル考えて欲しいです。正直読む暇が無ければタイトルと写真、図表位しか見ないわけでタイトルが貧弱では読む気もしません。
企業紹介はホシザキ電機、カカクコム、ミツカワ。ホシザキ電機は電機と社名にあるものの厨房機器メーカー。カカクコムが連結売り上げ100億円近い企業だったとは知りませんでした。飲食店探しで重宝してます。サッカー日本代表のユニホームはアディダス製(三本線マーク)なので生地も海外製だと思ったら越前市に本社を置くミツカワがニットを供給しているとのこと。
ひさびさに養老孟司名誉教授の書評が載っていました。以前も書きましたが名誉教授の書評が非常にうまい。本の内容や評価(というか主張に近い)が短い欄内にぴたりとまとまっています。
日経ビジネス2009.3.23
特集が恐慌のゆくえ。個別の事例はそうかと思うものの海外の話だったり国内だったりつながりが悪くバラバラ感が強いと思いました。第2特集の生保危機再びの方が流れが読みやすいです。
企業の第一三共は特集に近い量です。システムロケーションとクロキは両方とも従業員100人未満ですけど健闘中。
日経ビジネス2009.3.16
トヨタショック、モノ作り危機、現場力死守、最後の戦いというつながりが悪い特集タイトルです。製造業の危機はトヨタショックで深刻なまでに悪化しただけで元々危機的な状況にあったはずです。無理にキーワードを並べる必要は無いと思います。自動車産業を支えてきた金型メーカーの状況を筆頭に気合いの入った特集です。ただ、この前の建設業と同様に下請けから、現場から崩壊していく点は共通しているのではないでしょうか。個人的には技能職と技術職を分けている事が技能軽視につながっていると思います。
次に、絶滅危惧技能の事例としてJR九州の58654がでてきています。80年以上前の機関車を改修し本線へ復活させるストーリー(営業運転復帰は2009年4月25日)。Googleで調べてみると銘板に「平成20年」が入った台枠(これだけで4億円!)へ取り替えをはじめ長期の運転が可能な状態になっています。記事では短いですけど関係者の熱い思いが載っています。技能の継承には使い捨てよりも修理、改修を重ねていく方が効果的だというのがよく分かる事例です。
企業紹介は富士フイルムホールディングスと太陽精機。富士フイルムはデジカメが不調になり医療関連へシフトするとのこと。「10分説明」必要なカメラでは売れない。製本機製造の太陽精機は京都企業で世界的なシェアを持っているらしい。
PFUの連載は後編。工場内の生産現場から人事制度まで世界シェア1位への取り組みが紹介されています。
日経ビジネス2009.3.9
今年も年度末進行で忙しいです。レビューが数週間遅れてます。
特集の「人を切らない経営」は一つの理想ですけど現実には特集冒頭のパイオニアやアドバンテストの事例を見るまでもなく困難です。特に製造業は恐るべき勢いで進む商品の高度化に対応する必要があるため少数精鋭化は必至だと思います。人数ではどうにもならなくなってきているのがもどかしい。
企業紹介はビール事業が黒字化したサントリー。社長さんへのインタビュー記事も載ってます。ホームランと言うよりはヒット連打とお茶などノンアルコールが好調ではないでしょうか。超激戦区のビールで生き残れるかはまだ不明です。今月は2社で、秩父電子。CMPという単語は出てきませんけど半導体材料の機械的化学的研磨工程専門の会社。
再び始まった日本製品の連載、今度はPFUのスキャナScanSnap(前編)。ちょうど私が自宅用にS300を購入したばっかりでした。
それと、気になった記事が本の紹介です。『ハチはなぜ大量死したのか』という本自体よりも養老孟司名誉教授の短い書評が非常に分かりやすいと思いました。内容は恐ろしいですけど。