日経ビジネス2009.3.16

 トヨタショック、モノ作り危機、現場力死守、最後の戦いというつながりが悪い特集タイトルです。製造業の危機はトヨタショックで深刻なまでに悪化しただけで元々危機的な状況にあったはずです。無理にキーワードを並べる必要は無いと思います。自動車産業を支えてきた金型メーカーの状況を筆頭に気合いの入った特集です。ただ、この前の建設業と同様に下請けから、現場から崩壊していく点は共通しているのではないでしょうか。個人的には技能職と技術職を分けている事が技能軽視につながっていると思います。
 次に、絶滅危惧技能の事例としてJR九州の58654がでてきています。80年以上前の機関車を改修し本線へ復活させるストーリー(営業運転復帰は2009年4月25日)。Googleで調べてみると銘板に「平成20年」が入った台枠(これだけで4億円!)へ取り替えをはじめ長期の運転が可能な状態になっています。記事では短いですけど関係者の熱い思いが載っています。技能の継承には使い捨てよりも修理、改修を重ねていく方が効果的だというのがよく分かる事例です。
 企業紹介は富士フイルムホールディングスと太陽精機。富士フイルムはデジカメが不調になり医療関連へシフトするとのこと。「10分説明」必要なカメラでは売れない。製本機製造の太陽精機は京都企業で世界的なシェアを持っているらしい。
 PFUの連載は後編。工場内の生産現場から人事制度まで世界シェア1位への取り組みが紹介されています。

雑誌レビュー

Posted by tnakada