エレクトロニクス

 GPSロガーとして使用しているRaspberry Pi Zero WHがどうやっても不規則にログが途切れるため、gpsd — a GPS service daemon(http://www.catb.org/gpsd/)から最新版の3.18.1をダウンロードして以下の手順でビルド・インストールすることでようやく対策ができました。OSのパッケージシステムの管理からは外れてしまうのでおすすめはできませんがgpxloggerのログが途切れる問題で悩んでいる場合は先に試したほうが早いと思います。
 ビルドするためにはsconsとpython-devを入れておく必要があります。sconsのコマンドなどはbuild.txtの指示そのままです。

sudo apt-get install -y scons python-dev
tar xvf gpsd-3.18.1.tar.gz
cd gpsd-3.18.1
scons && scons check && sudo scons udev-install
sudo systemctl restart gpsd

 Raspbian Stretchで通常の手順でインストールできるgpsdのバージョンは3.16なのですがこの後の3.17で以下の変更が入っています。
http://www.catb.org/gpsd/NEWSより引用・赤線追加
上の画像の赤線部にあるとおり再接続に失敗することが3.16ではあるらしく、しかもトンネルなどわかり易い場所ではなく不規則に止まってプロセスを再起動するまでgpxloggerがファイルにデータを書き込まなくなるのでかなり困っていました。最低限3.17にアップデートすればいいのですけどその後の3.18の更新履歴にもToo many other bug fixes and improvements to mention.などと書いてあるため3.18.1まで一気にアップデートしました。
 アップデート後の注意点としてgpxloggerは/usr/binに上書きではなく/usr/local/bin/gpxloggerとしてインストールされるためsystemdの設定ファイルをこちらに切り替える必要があります。ログの先頭にcreator="GPSD 3.18.1 – http://catb.org/gpsd"、中身に<src>GPSD 3.18.1</src>と出るので切り替わったかの確認ができます。

 gpxloggerの設定については特にRaspberry PiでGPS位置情報を記録(http://denor.daa.jp/raspberry-pi%E3%81%A7gps%E4%BD%8D%E7%BD%AE%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%82%92%E8%A8%98%E9%8C%B2)が参考になりました。systemd用のスクリプトはこのサイトの/etc/systemd/system/gpxlogger.serviceをベースにgpxloggerのオプションを-i 120 -m 1に変更して使用しています。-i 120は1km級未満のトンネルや受信状況悪化で分割されるのを防ぐためおおよそ30km/h*2minで約1kmになるためです。-m 1はDGPSになってもせいぜいHDOP 0.8m程度が限界のため1m未満の移動は切り捨てています。

 大問題が解決した記念に車載型の試作機ハード写真(3/20現在)を公開します。構成は据置用NTP Serverとほぼ同じです。
車載型GPXロガー試作機、左は比較用i-gotU GT-600
そもそもi-gotUの充電やUSB経由でのデータ取り出しが面倒、今どきi-gotU GT-600(http://www.i-gotu.jp/?page_id=56)でうたっているような、たったの64MBで大容量という点を改善しリプレースするために作っています。Raspberry Pi ZeroはmicroSDXCメモリ対応のため現在は32GBを使用していますがその気になれば128GB(据置で稼働中)でも256GBでも利用可能です。さらにWiFiで接続すればsftpで大容量・高速データ転送できるのでいちいち本体をプリウスから持ち出したり載せなおしたりする手間もなくせる目論見です。