プリウス

 以前から書こうと思いつつ書けていなかった項目。
 毎月5000km以上走る(しかも高速・凍結路・酷道・林道・農道込みで)クルマは少ないと思いますが、このレベルになるとメーカーの作り込みだけではどうにもなりません。車種や用途にもよらず、ハードとしては点検と整備で走る形になります。
 徹底的に走り続けることが使命たる物流トラック、長距離バス、タクシーなどは整備点検手順や役割分担まで明確に決められていますが個人所有の過走行車両はバラバラかと思います。一応、3回目の車検を通したあたりでトヨタさんからこんな小冊子が送られてきました。
クルマのトラブル防止-アドバイスブック-保存版(発行2012年10月)
 この後半に約半分を使って日常点検整備のしかたがあります。極々一般的な内容ですので簡単に突っ込んでみます。
1.ボンネットを開けて(エンジンルーム内)
 いきなりボンネットを開けろときた。開けて何を見るかというと、1.ブレーキの液量、2.バッテリーの液量(プリウスはM/Fバッテリを後部に搭載→省略)、3.エンジンオイル量(拭き取るウェスか何かが必要)、4.冷却水の量、5.ウィンド・ウォッシャーの液量。…燃料漏れはいいんかい?気づくって?間違ってもガソリン臭い状態でエンジンを掛けたり動かしたりしてはいけません。
 うーむ。当たらずといえど遠からず。私の場合、エンジンルーム内の汚れ状況(泥、虫)および液漏れ(特にブレーキフルード、燃料、エンジンオイル、冷却水、エアコン冷媒)とその痕跡探し。ホコリや泥でエンジンルームが汚れているとそれだけ液漏れの発見がしにくくなります。また、各種機器やホース・電線の変形・欠損が無いか?も重要です。衝撃や振動で結構脱落します。あるものは気づきますが”無くしたもの”には気づきにくいです。電線は繋がっていれば動きますが被服にダメージ(傷や熱による変形)が入っているものは要注意です。
 特にハイブリッド車の場合はエンジンルーム内の電線がハンパな量ではないので要注意です。
2.クルマのまわり
 これは毎回乗るたびに習慣にした方が安全です。クセが付いてくると人の車だろうがタクシーだろうが見てしまいます(何も言いませんけど)。6.タイヤの空気圧、7.タイヤの亀裂・損傷、8.タイヤの溝の深さ・異常摩耗、9.灯火装置・方向指示器の汚れ・損傷。…ボディや窓ガラスの汚れや損傷は?なんだか肝心なところが抜けているような?窓ガラスが汚れた状態では視界に影響があります。鳥の糞など洗車するべきかどうかも毎回見ます。
 大型貨物など効率重視で点検する場合、前面→左側面→後部→右側面→そのままドアを開けて乗り込む。ちなみに、GSや道の駅、高速PAなどでこれやっとるとトラック乗りと思われるっぽい。一周で無駄なく確認できます。積み荷はもちろん、燃料キャップ(乗用車ではフタ)やナンバープレート、各種エアロパーツやマフラー、初心者マークあるいは仮免許練習中など必要に応じて重要なブツが付いているかも要注意です。
3.運転席に座って
 10.駐車ブレーキ機構の引きしろ、11.エンジンのかかり具合・異音、12.ブレーキペダルの踏みしろ、13.ウインドウ・ウォッシャーの噴射状態(ギチギチの駐車場で噴射したらまわりのクルマに飛びます→省略)、14.ワイパーの払拭状態、15.灯火装置・方向指示器の作用(少なくともブレーキランプだけは必ず側壁の反射で確認)…なんか微妙。燃料残量、目的地と大まかな道順(厳冬期は代替ルートも検討)、目標到着時刻(ETA)も重要だと思うんですけど。行き当たりばったりということ自体が危険要素の一つと思います。
 ハイブリッドシステム搭載車の場合、エンジンを掛けなくても発車可能です。あえて確認するならばブレーキの動作音、インバーター冷却用ポンプ動作音、インバーター・モーター動作音、外気温およびエンジン冷却水温でしょうか。厳冬期はデフロスターが動かない状態での出発は実質的に不可能です。
4.走行して
 いや、駐車場を出る前にブレーキテスト(一度は床まで踏んで完全停車確認、凍結時は特に重要)、ハンドル動作確認(異音に注意)が先では?ブレーキに着氷している場合はいきなり駐車スペースからは出さずに何度かブレーキを踏んで解凍してから出発。寒冷地仕様のマニュアルでは無いです。
 16.ブレーキの効き具合、17.エンジンの低速、および加速の具合(微妙に日本語が変)、18.前日の運行において以上が認められた箇所(異常があったら次の走行前に対応を決めないと不味いでしょう、特にブレーキまわりは即整備工場へ。)
 教習所でも習うハズなのですがとっくの昔に忘却の彼方だと思いますし、車両毎にポイントは違います。が、指導員さんの言葉で印象に残っているのは「順番を変えなければ抜けない」(一言違わずかは自信なし)です。発車前の五点確認(後方+左目視→左ミラー→ルームミラー→右ミラー→右目視)など決まった順序をいつも繰り返していると抜け防止になります。特に大型の場合は順序も含めて非常に厳しくチェックが入ります。それだけ重要。目視確認もせずに動かす事は禁則です。普通車だから飛ばして良いという理由は見当たりません。