プリウス

 7年20万キロ以上走って今更ながらの超定番チューン。もはや、純正オーディオ本体はDVH-P560にリプレースされアンプ自体を一新して有るのですがそれでもやはり音質はまだ不満がありました。とりあえず聞ければいいという廉価グレードの実用車では単にコストダウンだけでなく運転に支障が出ないようにする(←考えすぎか?)という意図すらあるのではないかと思うほどしょぼい。純正オーディオの時は軽四乗りから「ラジカセどこについてんの?」聞かれ、本体取っ替えてUSBで使い勝手が良くなってもSU-DH1とMDR-EX500SL/Bという大して高級で無いセットにすら音質は負ける。
 せっかくフルレンジ(?)スピーカーにツイーターまで付いて6スピーカー構成なのに何で通勤仕様ムーヴやモコに負けなあかんのか!というわけでまずはお金が掛からないコンデンサ交換から。
 コンデンサを取り替えるため、フロントドアに付いているツイーターを外します。そうすると前のフルレンジスピーカーからも音が出なくなり後のみになります(当然ツイーターを戻せばフルレンジも鳴る)。樹脂製のツメで止まっているだけなので特に工具は必要ないです。内装はがしがあれば少し素早く外せます。
取り外し前(コネクタ下の黒い円筒形部品が3.9uF NP電解)
改造前86160-68010で中国製らしい
 元々の定数はNP電解コンデンサ50V 3.9uFです。念のため経年劣化が無いか容量計で測ったところ4.2uFありました。走行とは関係が無いアクセサリ+車室内とはいえ、車載品が使われているらしく耐久性には問題無さそうです。また、高精度品でも4.0uFでは高域側に誤差分だけシフトさせる可能性があります。
 みんカラなどツイーターHPF改造では定番で高価な指月電機製作所のメタライズドポリエステルフィルムコンデンサ250V 4.7uF(SHIZUKI UD250475K)に交換しました。4.7uF化でHPFの定数が15%ほど低域へシフト(10kHz→8.45kHz)しますが元々ツイーターが鳴っているか分からないくらい怪しく、このコンデンサでも効果が出なければ、あるいは交換で壊れたらユニット丸ごと替えてしまおうと思っているのであえて変更。
フィルムコンデンサ改造&取付後
 元々付いていたNP電解はリードを切断、本体は接着されていたのでそのまま放置。ツメと干渉しないようにリードを曲げてNP電解と同じ回路を構成するように半田付けしました。無駄なこだわりのポイントとしては半田のポイントを元々の2カ所だけにするためフィルムコンデンサの太いリードを曲げ加工のみで切断せずに使用しています。一般にフィルムコンデンサは熱に弱いため根元直近で半田ごてを当てると特性を悪化させる恐れがあります。引き回しの長さや寄生インダクタンスよりも部品の劣化の方が効くはずです。みんカラの皆さんの加工例を見ていて気になった点だったり。
 また、半田付け加工の精度が低いと温度変化や走行中の振動で外れる恐れがあります。技能までもが試されてしまうので一般にはお勧めできません。こんな悪あがきをしてまで乗り続けるより新車営業さんの声に耳を傾けた方がいいのかもしれません。
 左右両方とも交換して鳴らしてみるとようやくツイーターが鳴っているのが良く分かるようになりました。特にピアノや鉄琴など高音の単発音に対して有効です。定数変更のためかフルレンジスピーカーの音も変わった(バスドラムの音が分かるようになった)ような気がするのは気のせいか?それともツイーターが仕事をするようになって分担ができてきたか。

以下、後日分割して改訂予定(下書きと思ってください)。
 4.7uFの定数が正解ならなぜ初めから4.7uで組まないか?が疑問になります。流通量からしたら3.3, 4.7の方が多いはずでツイーターユニットやコンデンサの許容電力に対するマージンを音質よりも重視していた可能性が考えられます。もしも、この推論が正しければ恐るべき耐久性優先設計です(トヨタらしいといえばらしい)。たしかに新車から7年21万km近くほとんど音質は変わってないですけど…ショボイまま。というか、アンプの能力いっぱい(50Wx4)まで鳴らしたら騒音公害になるのであんまりマージン取らなくてもいいような気もします。個人的には10~20Wあれば十分だと思ってます。

後日追記)もう少し、調べてみるとドアパネルのスピーカー86160-2B580は4Ω20Wですので許容電力の可能性は無いです。2way 6dB/oct -3dBでのクロスオーバー10kHzという仕様に合わせるため計算値(理論値)をそのまま使っている可能性の方が高いです。ネットワーク設計プログラム(http://www.asahi-net.or.jp/~ab6s-med/NORTH/SP/netwark.htm)というページで[各種ネットワークの計算]→[HPF(ハイパスフィルター)]で計算するとウーファー、ツイーター両方とも4Ω、クロスオーバー周波数10kHzで3.98uFになります。8.45kHzで4.7uFになります。

さらに追記)上記ネットワーク計算式はただ単にfc=1/(2*pi*C*R)で出しているだけのようです。Rはスピーカーの抵抗成分が周波数によらずに一定という仮定になっているため実際とは離れます。個人的にはこの仮定がかなり怪しいと疑っています。HPFが高域だけを通してツイーターに流さないとフルレンジスピーカーのインピーダンスが乱れる可能性があります。フルレンジ(Wikipedia)

特に高域は「コーンの分割振動」という共振現象を伴うため、高域の平坦性以外にも、歪みや位相特性が悪化する。

という記述が有り、HPFやツイーターのZが高いと高域がフルレンジ側に流れて共振させ、結果としてこもるのではないかと。

Prius ODD Meter 209802km.