日本海側で吹雪に遭い着雪状態が観察できました。昨季の2011年版での着雪状態から改善を加えた2012版のグリル塞ぎ状態です。今期の変更点は主に以下の3点です。
- 1.PPクラフトシートの形状を左右対称へ変更
- 2.ナンバープレート上下にスリットを追加
- 3.固定方法を見直しタイラップを4本x2枚から2本x1枚へ削減
1.の対称への変更は主に操縦安定性の改善を狙っています。インバータが助手席側にあるので左側を開けていましたが、インバータの冷却は水冷式でラジエーターの下部を循環しています(IG=ONの間はエンジン停止に関係なくずっと強制循環)。左右非対象で直接冷却を狙うよりは下側を選択的に冷却することでエンジン冷却水よりも先にインバータ冷却水を冷やすようにしました。
インバータを積極的に冷却することで電力利用効率を上げ、エンジン稼働率が下がれば結果として燃費改善につながると思います。また、平日深夜などは凍結していようが積雪だろうが結構なペースで流れる事があるため、空力でわずかでもスピンや偏摩耗の危険を減らしたい(&見栄えも改善したい)ということで対称にしました。まぁ、空力云々よりもスタッドレスタイヤの状態を維持する方がずっと重要です。
使用するPPクラフトシートを市販されている最大サイズ565×980の幅をそのまま使い1枚にしています。これは昨冬の2ピース構成ではつなぎ目の段差に雪が溜まるのと春先の取り外し時に捨てるタイラップの本数が増える(8本vs2本)ためです。
補助的な空力パーツとして6月に付けた純正フロントスポイラーにも着雪していて風が当たっている事が分かります。見た目がほとんど変わらない地味な純正部品ですけど、わざわざ設定されていることから完全な見た目パーツでもなくそれなりに機能するようです。(スタッドレスでの走行速度では空力なんぞより路面状態、タイヤ状態、天候の方がずっと効きます)
2.今年3月に書いた記事の通り全て塞ぐと冷却とエンジン吸気量不足の懸念があり、対策として空力と両立ができそうなナンバープレート上下に故意にスリットを設けて風を通すことにしました。1月に借りたCR-Zレンタカーの着雪状態からエアインテーク周辺など高速で空気が流れる部分は着雪・凍結しにくいことが分かっています(北海道など-10℃以下の気温では分かりませんが-7℃ぐらいまでならば効果的です)。
暖房でエアコンを動かしていると車室内の空気を乾燥させるため電動コンプレッサも稼働しラジエーター前面にあるエアコンのコンデンサー内(見た目はラジエーターと一体化している)を冷媒が流れます。この冷媒を冷却するためにも外気が必要です。さらに、約10年前の車とはいえ、サブクール式のコンデンサを採用しているため最下段の過冷却部分を冷やしてやる方が良さそうです。
なぜ、エアコンでの空気乾燥が重要かというと、ガラス窓は氷点下の空気で冷却されて続けているため車内の湿気がガラス内側で冷却されて水滴が付くためです。どうしても人が乗るため呼気や皮膚呼吸で発生する水分を除去する必要があります。また、体調を維持するために水分を補給し続ける必要もあり結構難しい所です。エアロスタビライジングフィンでリアガラス外側の水滴は吹き飛びますが内側の水滴は対処できません(考慮中)。
3.タイラップ4本で固定しているとPPクラフトシートにゆがみが生じるため中央2本で固定。タイラップ用の穴をパンチからカッターによるスリットへ変更して開口部を小さくしています。2本固定では高圧水洗車機などでPPシートがバタつくため角とナンバー下スリットにすきまテープを配置して飛び出さないようにしています。走行中は前からの風で押さえつけられているため脱落はしません。さらに、下の写真のように着雪&凍結するとより頑丈に固定されます。(吹雪の中を走行しただけで特に触っていません、というか、冷たくて触る気がしません)
CR-Zや新型を見てもフロントバンパーのチリトリ部分は空力的に重要そうでPPクラフトシートが奥に張り付きチリトリが出るように固定しています。
斜め前から(ナンバープレート下のスリットに注目)
正面から(バンパー下の純正スポイラーも着雪)
先日のウィンターワイパー同様に今期は活躍の場が無いことを期待していたのですが早くも機能し始めたため年末年始が心配です。エアロスタビライジングフィンを見てもmm単位のちょっとした形状変更で車両の空力特性が変わるため寸法など詳細は公開しません。また、燃費改善効果についても私のような毎年新しいスタッドレスタイヤを購入している過走行車(今年は50,000km/年超過中)で無ければ変更コストやリスクと見合うかどうかも怪しいのでお勧めはしません。
以下、グリル塞ぎ関連記事へのリンクです。
NHW20用トヨタ純正フロントスポイラー取付(2012-06-07)
グリル塞ぎ考察2011年版(2012-03-10)
グリル塞ぎ考察2011年版その2(2012-03-15)
Prius ODD Meter 223186km.