軽量ホイール効果の定量的考察

 このブログでここ最近最も読まれている軽量ホイールの効果は私の主観で感想を書いていますが定量的に考察されているページアルミホイールの真実~軽量ホイールは乗り心地を悪くする(http://souzouno-yakata.com/2005/09/16/703/)を見つけました。計算で定量的にホイール軽量化の効果を検証されていて非常に分かりやすいです。
 私の日記に書いている放熱性云々は軽量化とは関係ないので省きますが実は軽量化よりも軽量鍛造ホイール(という名の商品)が持つ高い寸法精度や放熱性能の方が効いていそうです。

1.ホイールを軽くすると乗り心地はどうなるか
→細かい振動(特に荒れた路面)で悪化していると思います。私はあまり気にしませんしREGNOならばある程度カバーできますけど軽量とは関係なく単にタイヤの性能です。軽いかどうかよりもタイヤのコンディションが効くようです。

4.軽量ホイールは加速や燃費にどの程度寄与するか
→やはり定量的に計算してもたいした効果は無さそうです。ただし、私が過去の日記で書いているとおり制動距離は10msecでも差が出ます。TWS Airverdeでの軽量化効果12kgでNHW20プリウスの実走行時の車重約1.4t, 100km/hから0km/hまで10sec(a=2.77m/s^2)の場合、奇しくも計算例とほぼ同じ状態となり、0.08sの制動時間短縮が得られます。これは60km/h(16.7m/s)走行時に制動距離は1.34m短縮、高速道路での100km/h(27.7m/s)走行時は2.22m短縮します。最後の0.1sが事故になるかならないかの分かれ目になる状況ではわずかながらマージンとなってくれる可能性は残ります。(安全上こんなマージンを期待して運転していては身が持ちませんけど)
 2.77m/s^2の加速度は重力加速度g=9.8とするとa/g=0.28Gとなり、少し強くブレーキを踏んだ状態になります。急ブレーキで2倍強の平均0.6Gを掛けることができるとすると進行方向の慣性による損失トルクは、式(4-2)よりT2=12*9.8*0.6*0.64/2=22.6Nmとかなり効いてきます。(私の使っているタイヤサイズ185/65R15では0.621mですが上記トルク計算には大きな影響はありません)
 0.6Gで100km/hから停止まで一定に減速すると仮定すると制動時間が27.7/(9.8*0.6)=4.7sとなり100km/hから制動距離L=v0*t/2=27.7*4.7/2からたった65mで完全停止する計算です。かなりきつい状態であり体験したくはありません。参考までに、NHW20の車両標準状態で専門のテストドライバーがフルブレーキを掛けるNCAPのブレーキ試験結果では45.8m。燃費タイヤGT-3を履いている割には数字だけ他の車と比較して悪くないですけど、平均で計算しても8.4m/s^2と0.85Gもの加速度が停まるまで3.3秒も掛かっています。(実際には踏み始めに1Gを軽く超えるガツンという衝撃が体と車体に掛かっているはず)
 NHW20の0-100km/h加速はトヨタ公表値で10.4sです。12kgの軽量化では0.1秒も縮まない計算になり、加速に対して体感は計算上も難しいです。このわずかな違いを燃費に反映できれば大したものだと思います。
 定量的に考えてみても通常の走行で軽量化に対するメリットはABSが作動するような急ブレーキ以外ほとんど無さそうです。公道ではそんなブレーキを掛けないような先読みが重要でハードでは対応が難しいと思います。

5.ホイールを軽くするとステアリングも軽くなるか
 →これは私の感覚が軽量化に対しては定量的な裏付け無しという事になります。単にリムの形状(真円率)が鍛造の方が安物よりも加工精度が高く回しやすいだけか、あまりほめられるのを効いたことが無いプリウスの電動パワーステアのホイール重量に対するアシスト特性によるものの可能性が高そうです。

6.「ばね下重量の軽減は、ばね上の約10倍の重量軽減に匹敵する」とはどういうことか
 →これは私もただのセールストークだと思っていました。

8.軽量ホイールにメリットはあるか
 →普通の運転、ましてや先読みしまくる燃費運転をしていたら重量に対するメリットはほとんどありません。営業車など走行距離が非常に長く急ブレーキが必要になる可能性が高い場合や精神面や軽量ホイールが持つ他の特性の方が効いていると思います。

9.インチダウンに花道あり
 →これは放熱面を考えると大きなホイールも見た目だけでは無いと最近考えています。放熱器としてホイールを見れば大きい方が有利です。熱容量や熱抵抗とタイヤの性能やホイールの運動量を考慮してドレスアップ以上のメリットが出るかは怪しいですけど。自分の車の見た目に非常に気を遣う方も多く、私はインチアップをリンク先ほど否定しませんが定量的に計算すると合理的では無いようです。ドレスアップは定量的評価では無いということで。見た目最優先の方は非常に丁寧な運転をされる方が多く運転や我慢でデメリットをカバーしていると思います。…完全に軽量化から外れました。