キンドル,コミックス

 懐かしい陶芸(バトル?)マンガをKindle版で発見しました。連載していた頃に終盤の何話か読んだ記憶がかすかにあります。が、たとえ緋が走ってもそんな大層な陶器に何を載せるのか考えているのかが当時もものすごく疑問でした。陶器作りよりもそっちが心配になったり。連載当時はバトルもの全盛だったかもしれませんが歌物語(和歌で解決?)ならぬ陶器物語(焼き物焼いて解決、しかも陶器の器限定)状態は苦しいものがあります。
 2巻で主人公が陶工として独立するにあたり職人八割、作家二割という心得の一つが出てきますが連載漫画家は職人としての割合が八割以上かと思える作品でもあり、第二の心得「まず食う」に徹しているとも読めます。さすがに物語の中核をなす焼き物本体はキッチリ描かれていますが人物やバトルの設定は粗い気がします。そもそも比べる必要すら無さそうなものや状況で勝負し続けるので無理が続きます。そんな中でしわ寄せがあるキャラにどんどん溜まっていくのをおもしろがっていいのか悪いのか。
 色々な陶器の作品がでてきますが全巻通して読んで私が欲しいと思ったのは極最初の湯飲み茶碗だけです。
 あと、電子化にあたって原稿から色やフォントを新たに入力するのでは無く、活版印刷された単行本をほぼそのまま取り込んだだけのようで画質が悪く見えます。特に巻頭のカラーページはCMYK/RGBの変換処理が正しくされていないようにも見え、表紙カバーだけ色補正+フォント入替したような感じです。話の筋や内容そのものが変わるわけでは無いのですが色そのものが題材になっている作品としては扱いが悪いような。内容の感想では無いのですが、現在の電子組版+フルカラー印刷とは印刷技術の時代背景が違う旨の注意書きぐらいはあってもいいかなとも思いました。
 調べて見ると連載開始が1992年(『ドラゴンボール』が1984~1995年)ですからそれほど極端に古いわけでも無さそうです。