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 TSUTAYA で借りてきて見てみました。どんなジャンルかも知らず店内で迷ってようやく洋画アクションのところで発見しました。特別版と書いてあるのに気が付いたのは見終わってから。
 ハリウッド映画で最初の出だしが非常に面白い。ハリウッド映画に「リアリティが無い」という台詞があったと思ったら、しばらくするとリアリティ無視の無茶な展開がドンドン炸裂します。マトリックスなど多くの映画を意識しているようなのですけど爆発シーンは見物です。特殊効果はふんだんに使っているもののCGでは無く「映像のリアリティ」は圧倒的で吹き飛ぶ人、車、建物、ベアリング等々が強烈に描写されます。これは映画館で見たかった。最初の30分は「プライベートライアン」級です。しかも展開が読めない。一応、スタンが善、ガブリエルが悪担当らしい。
 他の映画を知っていると色々楽しめるように出来ているようでスタンがワイン保管庫でガブリエルの「見てはならなそうなもの」を見た後、ガブリエル本人から「ドライブに行こうか?」と聞かれスタンは真っ青になります。このセリフ、ゴッドファーザーでは「車で殺します」という意味だったはず。マフィアのドンばりの演技ですがガブリエルのキャラは食わせ物で殺したりはせずとんでもないアクションへ突入します。
 ハリウッド映画の見せ場、カーアクションと銃撃戦。格好いいオープンカー(TVR Tuscan Speedsix)でガンガン撃ち合います。無意味にパトカーがツインドリフトで街角を右折(前輪は思いっきり左に切っている)していくシーンなどリアリティゼロですが無意味に面白い。実際にはタイヤを滑らせると遅いので実際こんな走りするアホ警官はいないハズ。
 本筋の金の奪い合いやハッキングはかなりいい加減で扱い悪いです。表現に苦労しているのは分かりますが完全にメインストーリーは放置状態でも楽しめます。一応「思い込み」がメインらしいですけどスタンの思いこみはどうでも良かったり。ガブリエルが何者なのか?この謎が最大のポイントです。
 ついでにハリウッド映画には欠かせない「家族の絆」は無理なので「父娘の絆」が入っています。ある以上のスキルを持つ人間が金だけでは動かないのを承知のガブリエルはスタンの娘を人質にして脅しまくり悪っぷりを見せつけます。逆に言うと娘が死んだ場合、無条件で作戦失敗。
 さらに、ゴッドファーザー的要素で「裏切り者への復讐」もキッチリ描かれガブリエル御自ら暗殺&車爆弾が出ます。この車爆弾がハンパではなく普通の映画である広い駐車場で一台だけ吹っ飛ぶのではなく建物内で周りの車も巻き添えにして盛大にブッ飛びます(もちろんCGでは無い)。もう、映画館で観ていたら爆音で寝られません。
 最後にヘリに吊られてロス上空を飛ぶバス。これは合成だろうと思ったらそんなことは無かった。妙な映像リアリティを追求しまくった作品で「特別版」の特典映像にたっぷり説明があります。このシーンは徹底的にこだわって作られています。空港に行けば映画スピードとダブるかと思いきやなぜかバイオハザード的展開へ突入、ロケットランチャーをぶっ放して終了。
 エンディングは正直ハリウッド映画らしくないと思いました。やはり特典映像の中にオリジナルのエンディングがあり内容的には無茶苦茶(最重要キャラの設定が矛盾)でもいかにもご都合主義のハリウッドらしいものですが監督の拘りでボツ。私は「自分の正義」を追求しまくる完成版がアメリカ人らしくて最も面白い。Alternative Endingはオリジナルの#1と手抜きの#2があります。特にオリジナルの#1は俳優達が大マジでそれまでのキャラと矛盾するセリフを吐きまくって演技しきっているので恐るべき演技力。
 邦画とは違い徹底的に映像とサントラに拘りまくった映画らしい映画で「映画の楽しみとは何か?」が(無理矢理なまでに)徹底的に入っています。
 ハリウッド映画なので突っ込みどころはありすぎで気にしないことにします。2つだけ、1つは「トーバルズってフィンランド人ハッカー」にはビックリしました。名前だけですけど。2つめは特典映像の監督さんひょっとして編集ほとんど無しでしゃべりっぱなし?猛烈な勢い(日本語字幕が追いつかない)でしゃべりまくります。「俺の主張」だけであまり解説になっていないような…。個人的は作品が良ければ作者の都合などどうでもいいのですけどお喋りがあまりにすごいんで最後まで聞いて(観て)しまった。